中原中也さんの"わが半生"を朗読しました。この詩の主題は己の死です。私なりに読み解いてみましたので、よろしければ最後までお付き合いください。
私は随分と苦労してきたように思うが、果たしてその苦労にどれほどの価値があったのかなんて今まで考えたこともなかった。とにかく私は多くの苦労をしてきたのだ。
こうしてじっと我が手を眺めていると思うことがある。人は結局どれだけの苦労を重ねたとしても、世間が認める価値のある人間になったとしても、人の死というのは満遍なく平等に訪れるものなのだ。それは決して避けられない事実なのだろう。
それならばこれからの人生はたとえ無為でもいいから、もっと私らしく在りたいとも考えている。自分にしかわからない価値や、自分だけが理解できる意味を求めて生きてゆきたいと思うのだ。そうやって私は静かに死んでいきたい。いつものようにこの机の前で座ったままに死んでゆきたいのだ。
という解釈をして朗読しています。中也さんの苦労は中也さんにしかわからないけれど、私は特に人間関係で苦労されていたのではないかと思うのです。その人を傷つけたくなくても手には刃物を握らされていて、誰かを抱きしめてあげたくても己の体温で誰かを焦がしてしまう。中也さんが求めれば求める程にそれ達は遠くへいってしまうのです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。中也さんと同じ時代に生まれることは叶わなかったけど、私は中也さんの紡いでくれた言葉を通して中也さんの体温をいつも感じております。それでは又。
それがどうした
またその
あつたものかなかつたものか、
そんなことなぞ
とにかく
そして、
じっと
ことしか
はるかな
そして