中原中也さんの"サーカス"を朗読しました。この詩は暗唱できますのでよく車の運転等をしながら口ずさんでいます。サーカスは心地良い七五調のリズムと独特のオノマトペが特徴的な詩です。それでは私なりに読み解いていきますので、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
まず最初にこの詩は中也さんの人生そのものを現しています。過去を振り返ってみると茶色い戦争の中に道化となった自分が居ました。この茶色とは色褪せたセピア色のようなイメージです。冬というのは凍えそうに寂しい時、疾風というのはそれに追い打ちをかけるように身体を冷やしていくものです。
そして、今夜此処での一盛りとリフレインが続きます。中也さんはこの詩を書いている時、一人で居ることを寂しくも幸せに感じたのではないでしょうか。そうして世間の人間がまるでイワシのように群れをなして泳いでいるのを自分は見えるともないブランコに乗って眺めているのです。
ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん。あぁ、私もイワシになって一緒に泳ぎたいがあそこは戦争ばかりが起こって全く安らぎがない。かといってサーカス小屋の外には何も見えない。外とは未来のことです。その未来が高い梁のブランコに乗っていても見えないので、夜が劫々と更けていく中、こうしてノスタルジーの世界を私は彷徨うしかないのです。明日というものがわからないのです。
最後まで読んでくれてありがとうございました。私は中原中也さんのサーカスをこのように解釈して朗読しています。この詩が何処か陽気に感じるのは中也さんが道化であるからです。そうでもしないと生きていけなかったと思うと胸が締め付けられる思いです。それでは又。
サーカス
そこに
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
それの
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん