高村光太郎さんの"値ひがたき智恵子"を紹介します。智恵子さんと私は共通する精神疾患を持っています。それを当時は精神分裂症(現在は統合失調症)といいました。故にこの詩の中の智恵子さんの症状を私はとてもよく理解できます(私の精神疾患については『名前も知らない神様の声』こちらの記事で詳しく書いています)。
絵描きだった智恵子さん。精神病の発症前、芸術家と生きていくことに苦悩していました。加えて実家が破産して家族がばらばらになってしまう等、智恵子さんの精神は激しく揺さぶられて精神不安定になっていました。
その後、智恵子さんは精神分裂症を発症してしまうのですが、発症前のことを光太郎さんは”くるしみの重さ”と詩の中で書いています。そうしてそれを捨てて(発症して)辿り着いたのが荒漠の美意識圏と表現しているのです。私はこの言葉に心震える程の美しさを感じました。
尚、人間界の切符を持たないとしているのは、決してネガティブに思っていたからではなく、苦悩から解放されたねという意味のポジティブからだと読み解いています。
最後まで読んでくれてありがとうございました。誰かに「永遠の愛はあると思う?」と問われれば、私は「あい」と言って智恵子抄を手渡すでしょう。それでは又。
わたしのうしろのわたしに
わたしをよぶ