萩原朔太郎さんの処女詩集「月に吠える」を読み耽る夜半の秋です。その中でも特別心に沁みたのが悲しい月夜でした。透明な音のリズムに肉眼では捉えることのできない影、唄っている言葉はずしりと重く、心の脆弱な私に大真面目に語りかけてきます。月は希望でしょうか。大好きです。
口語で紡がれた朔太郎さんの自由なる詩は、当時はとても新鮮で何より新時代を感じさせたと思います。朔太郎さんの作風はこの詩集で確立しています。最後まで読んでくれてありがとうございました。それではまた。
ぬすつと犬 めが、
くさつた波止場 の月 に吠 えてゐる。
たましひが耳 をすますと、
いつも、
なぜおれはこれなんだ、
「月に吠える」より