この世界で唯一無二の文学を創り出すこと。それは恐らく全知全能の神として世界を創造するに等しいことです。当然ながら私には不可能です。もしそれが叶うのであれば全ての人に笑顔と幸せが訪れる文学を作りたい、と想像するのは雲の上の文学であり、その白昼夢はきっと一つのメルヘンでしょう。
しかし、ただの一度でも文学に心を奪われたことがあるならば「自分だけの言葉で表現してみたい、私だけの文学を作ってみたい」とそのように思われたことがあるのではないでしょうか。いいえ誰しも覚えのあるものではないでしょうか。きっと私たちが知る小説家や詩人、文芸評論家も同じ気持ちだったのではないでしょうか。
その一点だけをすくい取って見れば大衆も天才も、人は皆平等に何らか探求者としての人生を送っていると言えます。それが文学である以上は読んだり書いたりをしながら数多の言葉を紡いで生きていくのです。例外はなく皆がそう在るべきで、それは遠い過去から変わることはなく、まるで家族のような連帯感で始まりの文学と通じていると考えているのです。
文学への想いが
若気の想いはいくらか有れど兎にも角にも私は今、大好きな近代詩の朗読をしているのです。それはとてもとても幸せなことなのです。詩の表現の唯一無二を求めて、著者を映し続ける鏡としてこれからもこの世界を生きていきます。最後まで読んでくれてありがとうございました。詩のかけない詩人が世界が変えられるとは思っていませんが、何かを感じてくれる誰かがいるのではないかと、そのように信じてはやまないのです。