想望手記

小学5年生で統合失調症を発症しました。このブログでは症状や体験談に加えて、精神障害者の生活をリアルタイムに発信しています。記事の内容が誰かの役にたってくれたら嬉しいです。

想望手記

もしかしたらあの人が

 私の住んでいる町には、町内放送があります。それは役場からのお知らせだったり、公民館からのお知らせだったりするのですが、町内で起こった事件の詳細も教えてくれるのです。

 例えば、「今はこういう詐欺事件があるから、皆さん気をつけましょうね」等、何かと丁寧に説明してくれるので、私はこの放送にとても好感を持っていました。持っていたのですが、先日、この放送が原因で恐怖体験をすることになったのでした。

 

 その日、私はいつものように夕飯を食べながら、町内放送に耳を傾けていました。すると、その放送内容の中で、私の住んでいる地域で露出事件があったことが報じられました。何やら下校中の女児が被害を受けたみたいで、何と気の毒に……と、悲しみと怒りとが交差する感情に落ち込んでいたら、犯人の特徴が明かされました。

 ふむふむと聴いていると、その犯人の服装が、私が普段そこらをぶらぶらと出歩く用の服そのままで、なんと色までも一致していたので、思わず絶句したのです。勿論、犯人は私ではなく、そもそも私は、犯行が行われた時間に地域にないのです。しかし、ご近所の方々は一体、どう思っているのかと想像してみると、私はこの時、途方に暮れてしまったのです。

 何故かといいますと、私は近所付き合いが殆どなく、地域のコミュニケーションが大変不足していました。加えて、放送された犯人の服装で、度々、私があほみたいな顔でお散歩しているのを皆さん目撃しているはずなのです。つまり……この犯人って、あのいつも若干早歩きしているあいつじゃないのか? と、なるのではないかと。

 私はそのように言われてしまうと、完全に思い込んでしまい、もう夕飯どころではなくなっていたのですが、放送中に追加の情報が入りまして、犯人が無事に逮捕されたと知った時の、あの何とも言えない私の表情を貴方に見せて差し上げたいと思いながら、筆を置くことにします。

 あの日、犯人が捕まって良かったと思いましたが、それと同時に被害を受けた女児のことを考えると、なんともやりきれない気持ちにもなったのです。どの犯罪でもそうでありますが、被害を受けた人は何年も苦しみ続けて、その傷は決して癒えることがないのでしょう。世界から全ての犯罪がなくなるように祈っています。そして、私の町に防犯カメラをたくさん増やしてほしいです。警備ドローンもお願いします。

 

 最後まで読んでくれてありがとうございました。今日は暗い雨が降り続いていますので、雲の上の、遥か上の星空を想像して乗り切ります。それでは又。