この記事では拙いながら、私が朗読をYouTubeにアップロードするまでの過程を書いています。素人故に明後日な思考や遠回りな発言もあるとは思いますが、どうぞ温かい目で読んでいただければ幸いです。
まず私が朗読を録音する時は、それまでふんわりとしていた作品の内容を徹底的に読み解くことから始めています。それはとても長い時間を消費しますが、私にとっては何よりも先に大切なことです。故に朗読する作品を今日選んで今日録音することはできないのでした。
朗読では作品の世界観を崩さないことを第一に考えます。つまり作者の代わりに朗読するというのは、己が限りなく作者に近づく必要があると思っているのです。それは演劇や映画でいう"役作り"と少し似ているような気がします。
何かの役を演じるというのはその役の人生を生きることですよね。色々な設定を事細かに照らし合わせて、プライベートでもその役になりきって行動していたりと、ああプロの俳優さんや声優さんを心から尊敬しています。
朗読も同じように言葉から得られる情報を軸として、その作品が書かれたのはいつ頃であるのか、その時に作者はどういう状況だったのか、作者の生い立ちについてはどうか、又作者の人間関係はどうなのかと、そのようなことをメモ帳に書き起こしていくのです。すると、ふんわりとしていた作品が段々と鮮明になっていくのです。そうして自分なりに納得のいく解釈をしてからマイクを使った練習を始めます。
私がマイクを使った練習前にやっていることはこちらです。
- 歯磨き(リップノイズ対策にもなります)
- ストレッチ(身体全体を柔らかくしています)
- リップロール(声が安定してとても落ち着きます)
- タングトリル(舌のストレッチな感じです)
- アクセント、抑揚、読みの確認(必須です)
これらのことをいつも欠かさずにやっています。練習中はとにかく苦手を失くすようにしています。通して朗読してみて苦手に思った部分を繰り返し何度も練習します。仮録音→練習→確認を繰り返しながら、納得のいく形で読めるようになってから本番となります。
あと朗読の原稿は読みやすいように区切りを入れています。
吾輩は猫である - 夏目漱石(青空文庫より引用)
吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたか / とんと見当がつかぬ。何でも / 薄暗いじめじめした所で / ニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩は / ここで始めて人間というものを見た。しかも / あとで聞くと / それは書生という / 人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。
のような感じです。これに加えて抑揚のポイントやアクセントで特に注意したい言葉にチェックマークを入れたりと、自分のわかりやすいように好き勝手にメモしています。そうしてどうにか録音を終えると、時計の針が午前26時を指していることも多々ありました。
音声の録音が終わると動画編集をして終了となります。動画の編集も多くの時間を使ってモニターとにらめっこをしてるので、まだまだ勉強することはたくさんあるのです。編集が終わって動画として書き出す瞬間は思わず笑顔になりますが、YouTubeにアップロードした後に編集ミスに気づくともれなく絶望となります。恐ろしいです。
私は概ねこのような流れで朗読をアップロードしています。手探りで朗読の勉強を始めて一年が過ぎましたので、思い切ってこのような記事を書いてみました。もっとこうした方がいいよ等ありましたらびしばしと教えていただけると幸いです。最後まで読んでくれてありがとうございました。これからも多くを学んでいきます。それでは又。