想望手記

小学5年生で統合失調症を発症しました。このブログでは症状や体験談に加えて、精神障害者の生活をリアルタイムに発信しています。記事の内容が誰かの役にたってくれたら嬉しいです。

想望手記

許されない空気感

 私は小学五年生の秋から、学校という一切に行けなくなりました。なので、私の最終学歴は小学校除籍と等しいです。小学校の卒業式は、当然ながら出席できませんでしたし、中学校の入学式にも行くことはありませんでした。その後、図書館や本屋さん、動画サイト等を利用して、本格的に学ぶようになったのは、恥ずかしながら、成人してからずっと後のことでした。

 

 よく知らない人と飲みの席で一緒になった時、必ずと言っていい程「学校はどちら」という質問をされます。私はその度に、小学校の途中から行っていないのです、という旨を伝えねばならなくて面倒です。人様はどうして、そのようなことを質問してくるのか、長い間考えてきましたが、その答えは今でもわからないままです。

 私がその質問に答えると、決まって場の雰囲気はおかしくなりました。このことをどう説明していいのかわからないのですが、それを伝える前と、伝えた後では、何かが微妙に違っているのです。心に嫌なものが広がります。私は自分の学歴について、ちっともおかしいとは思っていないのですが、社会という場所ではどうにも、それが許されない空気が存在していました。

 

 これまで独学でしてきたものは、その時に必要なことだけを学んでいました。例えば小説を読んでいて、読めない漢字があったり、意味のわからない言葉があったりすると、その言葉を都度調べていくのです。

 例えば、文章の中に"碧い"という言葉があったとして、私はそれを知る為に、グーグルを使って検索をしていました。その検索内容に貴方は笑ってしまうかもしれませんが、「左上に王 右上に白 下に石」と入力すると、漢字の読み方や漢字の意味が表示されるので、当時の私はそれを見ながら、言葉の意味や読み方を学習していたのです。

 

 そうして、幾年が経ち、生活をする上で読めない漢字というのはなくなりました。もちろん全てを読めるのではなく、意地悪な問題を出されると答えられないのですが、このように少しだけ、文章を書くことも出来るようになりました。私はこれからも変わらずに、多くを学んでいこうと思っていますが、元素記号を覚える日はきっと来ないのだろうと、何だか寂しい気分にもなるのでした。

 最後まで読んでくれてありがとうございました。それでは又。