報道番組やニュースサイトを見るのをやめてしばらくが経ちました。この記事を書いている現在、生活からニュースが無くなっても特にこれといって困ることはなく平穏な毎日を送っています。怒りや悲しみ、嘆き、失望、嫌悪といったマイナスの感情が消え去って、私はびっくりするくらいにストレスがなくなっていました。
私はニュースを見ている自分が嫌いでした。それを見ている自分が何か不潔なものに思えて仕方がありませんでした。悲惨な事件を知って悲しみはするのだけど、この被害者が自分ではなくて良かったと、心の何処かで安堵しているのではないかと何度も震えていました。真にそうは思っていなかったとしても私の臆病な精神を腐らせていくには十分でありました。
人様にそれを伝えると不思議な顔をされます。「ニュースを見ていないと世の中の動きがわからないですよね」「それって社会の出来事に関心がないってことですか」と、たしかにそう言われてみれば私が異常行動をしているのかもしれません。だとしても私はもうニュースを見ないと決めたのでした。
これまで何年もの間、知らなくてもいい出来事を自ら知って苦しみ続けてきました。それらは元来当たり前に私の視界に入ってくるものでありましたから、息が詰まりそうと思っていても受け入れる他はありませんでした。でももう良いのです。世間の価値観で生きていくのを放棄した時、私は何だか取り残されたような気分になったのだけど、そのような自分がとても好きになれました。素晴らしいとさえ思ったのです。
もうぐちゃぐちゃになった車を見なくて良いでしょう。加害者はどちらで被害者はどなたと知らなくて良いでしょう。家族構成、詳しい住所、どのような怪我をしたかなんて知りたくはないのです。交通事故に関して言えば、私が知りたいのはこういう道路でこういった事故がありました。このようにすれば事故にはならないので皆さん気をつけましょうね。と、ただそれだけなのでした。
最後まで読んでくれてありがとうございました。何が正解かなんてわかりませんが、私は自分の生きやすいように生きることにしています。ただ生きていく上で本当に知らないといけないことは、役所放送や人づてに聞くことが出来ると思っています。だからニュースがなくてもです。それでは又。