想望手記

小学5年生で統合失調症を発症しました。このブログでは症状や体験談に加えて、精神障害者の生活をリアルタイムに発信しています。記事の内容が誰かの役にたってくれたら嬉しいです。

想望手記

忘れないで居てくれるなら

 インターネットサーフィンをしていると、稀にタイムスリップしたようなウェブサイトに辿り着くことがあります。それは、装飾のないシンプルなデザインで、画像などはほとんど使用されていません。そのようなテキストで埋め尽くされたホームページを見つけると、私は深く一礼して、「ありがとうございます」と手を合わせるのでした。

 

 しかし、そういった希少サイトを発見しても、大体は時既に遅しと言いましょうか、最後の更新が何年も前だったりするのです。ですから、そのサイトがどれだけ面白かったとしても、閲覧し終わった後は、何ともいえない寂しいが残るのでした。

 私の経験上、年単位で放置されたサイトの殆どが、それ以降に更新されることはなく、この広い電子の海を彷徨い続けています。舵や帆を持たないその宝船は、私のような冒険者に発見されてはまた、暗い海の中へと潜っていくのです。今後、秒針を持たないウェブサイトが無くなっていくのだとしたら、私はこの目に、多くの財宝を焼き付けたいと思っています。

 

 いつか、私のこのサイトも、未来の誰かが偶然に見つけてくれる日が来るのだろうかと、時々そのようなことを考えたりもするのですが、私は今、私のサイトにアクセスしてくれている貴方を思い浮かべながら、文章を書いているようなのです。それは決して遠い未来を意識したり、世間の反応を伺ってみたり、見栄えを気にして装飾したり、そういうことはないのですよ。

 しかし、以前は生きた証を残したいからとか、そういった自分勝手な都合で、私は記事を書いていた記憶があります。でもね、今は違っているのです。

 今日を生きている貴方に読んでもらえたら、私はそれだけで幸せを感じるのです。それがたとえ未完成でも、駄文であっても、貴方が読んでくれるのなら、私は更新を続けていくのでしょう。いいねなんていらないし、コメントだって必要ありません。名も無い花を思い浮かべるように、時々でいいから、このサイトを思い出してくれたら嬉しいです。

 

 最後まで読んでくれてありがとうございました。生きた証というのは、誰かに覚えてもらったり、誰かの心をほんの少しだけ動かせたことなのかもしれません。かつての先人がそうしたように、私も今の精一杯をこの瞬間に書き付けていきます。私は幸せ者ですね。それでは又。