想望手記

朗読愛好家丨国立和歩のブログです。中原中也、高村光太郎、萩原朔太郎等、近代詩の朗読も配信しています。

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星めぐりの歌 - 宮沢賢治丨朗読

星めぐりの歌

あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の  つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。

オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。

大ぐまのあしを きたに
五つのばした  ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。

 宮沢賢治さんの星めぐりの歌です。宮沢さんの詩はとても美しく、銀河鉄道の夜の場面が浮かんできます。NHKの番組で「ムジカ・ピッコリーノ」という音楽教育番組があるのですが、そこでもこの曲が歌われていて感動しました(スチームパンクの世界観が素敵でした)。オリンピックの閉会式でも歌われていましたよね。私もこの歌は大好きなのです。聴いていると何だか懐かしい気分になり、野焼きや畑の匂いを思い出しました。不思議な感覚です。

 夕食後、あくびをしながらのんびりと部屋の掃除をしていると、どこかに置き忘れたと思っていたボールペンがひょっこり出てきました。無くしたと思って諦めていたので、今日の私は幸運でした。こういう過去の発見があるのは掃除の楽しい所です。ただ恐らく心の中も、そういった忘れ物で溢れているのだと思いました。

 切なさ、悲しさ、悔しさ、やりきれなさ、他にも様々な絶望、抜け落ちたページの数々。それを見つけてしまうのが怖いから、私はその部屋が整理整頓されていないと知っても掃除をしようとしないのです。そうして何もなかった、何も見なかったように生きていくのが正解のように振る舞い、手の届かない高い場所へ鍵を隠してしまうのでした。

 いつかその鍵がひょっこりと出てきて、解錠されるその日まで、多くを忘れたままで在りたいと思うのは、人間なら誰しも心当たりのあることではないでしょうか。今はそのような臆病さを大切にして、前向きに生きていけたらと考えています。最後まで読んでくれてありがとうございました。ご視聴いただけたら幸いです。それではまた。

 

宮沢賢治とは

宮沢賢治は、日本の詩人、童話作家。仏教信仰と農民生活に根ざした創作を行った。作品中に登場する架空の理想郷に、郷里の岩手県をモチーフとしてイーハトーヴと名付けたことで知られる。
生年月日: 1896年8月27日
出生地: 岩手県 花巻市
死亡日: 1933年9月21日, 花巻町
影響を与えた人: 萩原朔太郎、 ハンス・クリスチャン・アンデルセン、 山村暮鳥
学歴: 盛岡高等農林学校

宮沢賢治 - ウィキペディア」より引用