海にゐるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にゐるのは、
あれは、浪ばかり。
曇つた北海の空の下、
浪はところどころ歯をむいて、
空を呪つてゐるのです。
いつはてるとも知れない呪。
海にゐるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にゐるのは、
あれは、浪ばかり。
中原中也さんの詩集、在りし日の歌より北の海を朗読しました。私はこの詩を両親への想いと解釈しました。北の海とは厳しい教育、空を呪うは文学に没頭すること。そのように読み解いて朗読しています。
中也さんの母は「母さんは作家とか詩人が嫌いよ。ああいったものだとご飯が食べられないからね」と言い、父も同じように「絶対にそんなもんにはさせん」と言っていたみたいです。中也さんはそれでも己の才能を信じ、最後まで己を貫いた人なので人一倍と思い悩むことが多かったのではないでしょうか。最後まで読んでくれてありがとうございました。ご視聴いただければ幸いです。それではまた。
中原中也とは
中原中也は、日本の詩人・歌人・翻訳家。旧姓は柏村。代々開業医である名家の長男として生まれ、跡取りとして医者になることを期待され、小学校時代は学業成績もよく神童とも呼ばれたが、8歳の時、弟が風邪により病死したことで文学に目覚めた。中也は30歳の若さで死去したが、生涯で350篇以上の詩を残した。
生年月日: 1907年4月29日
出生地: 下宇野令村
死亡日: 1937年10月22日, 神奈川県 鎌倉市
配偶者: 上野孝子 (1933年 - 1937年)
両親: 中原フク、 ナカハラ・カンスケ
学歴: 東京外国語学校 (1931年–1933年)
「中原中也 - ウィキペディア」より引用