汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の革裘
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる……
中原中也さんの「汚れつちまつた悲しみに……」を朗読しました。前からずっと中也さんの詩を公に読んでみたかったのですが、なかなか勇気が出ずに今日に至りました。この詩に込められた想いを歳を重ねるごとに深く感じています。
彼にとって生きるということは、どれだけの勇気を要することだったのでしょうか。大切に朗読しましたので良ければご視聴ください。
それと今日、イラストレーターさんに描いていただいたイラストが届きました。スーパー可愛いです。こちらの要望通りに描いていただいて本当に感謝しています。温もりのある素敵なイラストをありがとうございました。最後まで読んでくれてありがとうございました。それではまた。
中原中也とは
中原中也は、日本の詩人・歌人・翻訳家。旧姓は柏村。代々開業医である名家の長男として生まれ、跡取りとして医者になることを期待され、小学校時代は学業成績もよく神童とも呼ばれたが、8歳の時、弟が風邪により病死したことで文学に目覚めた。中也は30歳の若さで死去したが、生涯で350篇以上の詩を残した。
生年月日: 1907年4月29日
出生地: 下宇野令村
死亡日: 1937年10月22日, 神奈川県 鎌倉市
配偶者: 上野孝子 (1933年 - 1937年)
両親: 中原フク、 ナカハラ・カンスケ
学歴: 東京外国語学校 (1931年–1933年)
「中原中也 - ウィキペディア」より引用