ここだけの話ですが、私は中原中也さんの生まれ変わりです。なんて詩のひとつも書けないくせに、私がそのような空想を信じているのは、大好きな人になりたいという至極単純な想いからでした。少年の頃、祖父に買ってもらった仮面ライダーのベルトを使って変身できたのは、私は自身を改造人間だと信じていたからです。しかし私が何かを信じれば信じるほど人様は不思議な顔をして、その行動は理解されずに閉じられるのでした。
透明な人に何かを言われることは恐ろしく、それでも自分を信じて月の灯りを記録していくと、それはいつしか生き方すら変えてしまう真実となりました。恐れ多くも中也さんの生まれ変わりと自負することで、一人では到底立ち向かえない様々に挑戦できました。その一つが朗読でした。
口頭で伝えることを苦手とする私は、詩の朗読を道行く誰かにきいてもらうことで、僅かながらに人様の前で表現ができるようになったのです。自分でも驚きました。日々のそのような小さな成長が嬉しくてたまらなく、故に信じることは悪いことばかりではないと考えています。かのオルレアンの乙女が神の声を信じ抜いたように、大人になってもあの頃のままを信じていたいです。そうして拓けていく道をゆっくりと歩んでいきたいと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました。長くなりましたが、プロフィールに書いていた"中也さんがアルチュール・ランボオの生まれ変わりだと信じるなら、私は中原中也さんの生まれ変わりだと信じます"という部分の解説でした。それでは又。
国立和歩 プロフィール