想望手記

朗読家丨国立和歩のブログです。中原中也、高村光太郎等、近代詩の朗読を配信しています。

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悲しい月夜 - 萩原朔太郎|朗読

悲しい月夜
ぬすつと犬めが、
くさつた波止場の月に吠えてゐる。
たましひが耳をすますと、
陰気くさい声をして、
黄いろい娘たちが合唱してゐる、
合唱してゐる、
波止場のくらい石垣で。
 
いつも、
なぜおれはこれなんだ、
犬よ、
青白いふしあはせの犬よ。
「月に吠える」より

 

 萩原朔太郎さんの処女詩集「月に吠える」を読み耽る夜半の秋です。その中でも特別心に沁みたのが悲しい月夜でした。黒く透明な音のリズムに、肉眼では捉えることのできない影、唄っている言葉はずしりと重く、心の脆弱な私に大真面目に語りかけてきました。月は希望でしょうか。大好きです。

 口語で紡がれた朔太郎さんの自由なる詩は、当時はとても新鮮で、何より新時代を感じさせたと思います。朔太郎さんの作風はこの詩集で確立しています。最後まで読んでくれてありがとうございました。それではまた。

 

萩原朔太郎とは

萩原 朔太郎は、日本の詩人。大正時代に近代詩の新しい地平を拓き「日本近代詩の父」と称される。 
出生地: 北曲輪町
生年月日: 1886年11月1日
死亡日: 1942年5月11日, 東京都 東京 代田
配偶者: 上田稲子 (1919年 - 1929年)
孫: 萩原朔美
子女: 萩原葉子

萩原朔太郎 - ウィキペディアより引用