想望手記

小学5年生で統合失調症を発症しました。このブログでは症状や体験談に加えて、精神障害者の生活をリアルタイムに発信しています。記事の内容が誰かの役にたってくれたら嬉しいです。

想望手記

ウォーキング中の挨拶は

 アスファルト舗装のウォーキングコースを歩いていたら、「あんた! 聞こえとるんかね!」と怒号が聞こえました。私はその時、オーディオブックを聴いていたのですが、その音声を突き抜けるくらいの大声でした。なんだろうと思いながら顔を上げてみると、目の前に、真っ赤な顔をしたおばさんとおじさんが立っていたのです。

 

 その怒号は、私に向けられたものでした。通せん坊をしている二人の訴えは、こちらはいつも挨拶をしてるのにそちらは全く挨拶を返さない、だから大きな声を出したし道を塞いでいる、挨拶を返さないのは非常識だから謝罪してほしい、というものでした。

 

 私は、困窮しました。と、言われましても……。私がこのウォーキングコースを歩く時は、帽子を深く被っていて(人通りが多く、景色も変わり映えしない為)、目線を常に5mくらい先の地面に置いているのです(顔を上げて歩いていないのです)。加えて、密閉型のワイヤレスイヤホンをつけているので、周りの音やら声は、ほとんど聞こえていませんでした。

 しかし、そのことを相手に伝えるのは、とても労力を要することに思えました。かといって相手の言うがままに話を合わせてしまうと、私は次から、二人の意向に沿ってウォーキングをすることになるので、誰かとすれ違う度に、顔を上げて周囲を確認したり、イヤホンを片方外しておく等の対策が必要になるのでしょう。

 

 そういった理由から、私は「すみません、気づきませんでした……」とだけ伝えて、足早に逃げるようにしてその場を去ったのですが、背中の方角からは、私に対する罵声が聞こえていて、それは少しずつ小さくなっていきました。知らない人との挨拶に気づけなかっただけで、私は何故、このような仕打ちを受けないといけないのだろうと、心身ともに疲れ果ててしまいました。

 

 どのように対処するのが正解であったのか、この記事を書きながら考えてもみるのですが、やはりよくわからないのです。何故なら、私が誰かに挨拶をする時は、相手にどういう反応をされても、どうでも良いと思っているからです。それはとても人間味のないように思われるのでしょうか。最後まで読んでくれてありがとうございました。それでは又。