想望手記

小学5年生で統合失調症を発症しました。このブログでは症状や体験談に加えて、精神障害者の生活をリアルタイムに発信しています。記事の内容が誰かの役にたってくれたら嬉しいです。

想望手記

書籍も棲み分けの時代

 アマゾンのサービスで、キンドルというものがあります。所謂、電子書籍なるものをオンラインで購入して、それがインターネット上に保管できて、パソコンからでもスマートフォンからでも、いつ何処にいてもアクセスして読めるのだという、とても便利なサービスなのです。

 

 私は最近、そのキンドルをよく利用しています。利用するきっかけとなった一番の理由は、なんといっても場所を取らずに、本の保管ができるからでした。これまでは、本棚で繰り広げられるおしくらまんじゅうをどうすることも出来なかったので、読めば読む程、本は増えていく一方でした。なので、私にとって電子書籍という新風は、まさに革命のようでした。

 そうして、紙で保管したい本だけを残して、本棚をざっくりと整理してみると、空間に余裕ができて部屋が広くなりました。加えて、何処にお出かけしても、端末さえあれば何冊でも持ち運べるというのは、いやはや、すごい時代になったと感動すら覚えるものだったのです。

 なら、本棚なんてもう必要ないのでは、と思われる方がおられるかもしれませんが、そうもいかないのです。私は本に書き込みをする癖がありますから、紙の本は決して手放せないのでした。

 

 と、そのような話を友人としていたら、「私も最近、ネットで漫画を読破したよ。電子書籍って便利よね」という奥様が乱入してきました。おお、よかよかですねえと、本のタイトルを質問すると、"ファブル"と言っておられて、あの映画化もされた超有名な漫画ですよね、なんて話が盛り上がりました。

 会話の中で、どの配信サイトを利用して読んでいるのですか? と質問したら、「広告で読んだのよ」と言われて、なるほど、広告で……、え? 読ん、え? 一瞬、頭が混乱しましたが、ああ、あのサイトの下とかに貼ってある動画のような漫画だ、そう理解した瞬間、あれもたしかに電子書籍! と、目からウロコが落ちたのでした。

 その後、ほんとファブル面白かったわー、と満足気にお酒を飲んでいる奥様に、電子書籍アプリの使い方を説明すると、とても喜びながらファブル一巻をダウンロードしておられました。しかし、漫画の広告というのは、続きが気になる所でいつもカットされているので、あの奥様はもしかして、その先を想像して楽しめるクリエイティブな人だったのかなと、この記事を書きながら思い返しています。

 

 最後まで読んでくれてありがとうございました。紙と電子、その棲み分けが上手に出来ていると思うのは、紙でいうとページをめくる手触りだったり、栞やブックカバーを選ぶ楽しさだったり、装丁の美しさだったり、電子書籍にはない魅力がありますよね。特にあの独特な紙の匂いだけは、それはもうたまらないです。私にはどちらも必要なのです。それでは又。