想望手記

統合失調症と共に日々を生きていくブログです。中原中也さん他、近代詩の朗読も配信しています。

想望手記

勇気と選択

 美容室の匂いが好きです。私の通っている美容室は良い匂いがいっぱいします。その場所は職人さんみたいな男性が一人で経営していて、私はこの美容師さんに髪の一切をお任せしています。

 昨日は前髪を重めに作ってもらい、ミディアムロングになった後ろ髪を整えてもらいました。「うんうん、綺麗になったね。さっすが俺!」と、私の髪を触りながら笑顔で言う美容師さんのもとへ通って2年になります。2ヶ月に1回の幸せな時間はあっという間に過ぎていきました。美容室を出るといつもの匂いがして、私は遊園地から帰るような気分になるのです。

 

 最近は日記を書いていなかったので今日は思いのままに綴ってみようと思います。わたくし朝はお水だけ、昼はお味噌汁だけ、夜に好きなものを食べるという生活が続いています。それが始まったのはいつ頃からだったか私も正確には覚えていないのですが、当然ながらメニュー通りにならない日もありますし、一週間に1回か2回はズレが生じてしまうのでした。

 以前の私はこのズレを決して赦せない人間でした。

 一度決まったからには(決めたからには)必ずそうしないといけませんでした。例えば家の門をくぐって玄関の扉を開けるまでに"20歩"と決められたのであれば、必ず20歩でたどり着くように調整するのです。足りなさそうならジャンプもします。逆に余ってしまう場合は玄関前で足踏みをして歩数を合わせるような子供でありました。

 それからも随分と長い間このようなことに悩ませられましたが、現在は朝のお水が烏龍茶になっても、お昼がチャーハンと餃子になってもほとんど気にならなくなったのです。それは私が生きやすくなっている証でした。生きやすいこと大切なのに、生きやすい選択はとても勇気の要るものだったのです。私はその一片の勇気をいつまでも守っていたいと思っています。

 最後まで読んでくれてありがとうございました。私の住んでいる森には今日も良い風が吹いています。それでは又。