YouTubeの世界をぼんやりと回遊していたら、合成音声で朗読している動画を偶然見つけました。興味本位で再生してみればいつの間にか最後まで見入っていました。NHKのAIニュースキャスターの技術も加えて、時代はついにここまで来たのかと感心するばかりです…
www.youtube.com 中原中也さんの名詩、"湖上"を朗読しました。中也さんがこの詩を書かれたのが昭和五年なので、長谷川泰子さんはもう中也さんの腕の中にはいません。そして小林秀雄さんの傍にもいないのです。演出家との子供を身籠った泰子さんに対して中也…
楽しい時間を過ごしていると、突然恐ろしくなる瞬間があります。そういう時は雷にでも打たれたように一切の思考が停止してしまいます。そうして動けなくなった私のもとへ、先程と何ら変わらない喜びがおし寄せてくるのでした。 私が子供の頃、とある歌詞で"…
www.youtube.com 中原中也さんの"帰郷"を朗読しました。この詩を丁寧に読み解いて文章にすることが、何だか不思議としたくない心向きにあります。私がここであれこれと解説するよりは「お前は何をしてきたのだと……」の一節について、読み手が胸に手をあてて…
中原中也さんの詩集、山羊の歌から"少年時"を紹介します。この詩は中也さんの少年の頃を書いています。ただ真っ直ぐにそうではなく、詩の中に長谷川泰子さんと別れた後の様子が表現されているのではないかと感じているのです。 始まりの"あをぐろい石"とは木…
こうして窓から外の景色を眺めていると、都会の喧騒の中で過ごしていた頃を思い出します。あの頃の私といえば家から出ることを恐れ、人もまばらの深夜にならないと食料品店にすら行けなかったのですから、それはもうある種の引きこもりでありました。私はそ…
あれはいつの事でしたか、はっきりとは覚えていないのです。 15歳の私は都会の商店街を歩いていました。すれ違う大人からはお酒の匂いや香水のツンとした香りがして、天の川銀河のようなネオンの光は何も持たない私の心を高揚させていました。この場所は私が…